仏国寺 [ブルグクサ]  Bulguksa Temple

世界文化遺産の仏国寺は、新羅全盛時代の仏教芸術の傑作品

慶州の吐含山の麓にある仏国寺は石窟庵と共に、護国の念願を達するために新羅第35代景徳王10年(751年)、当時宰相である金大城によって設計、創建されたお寺です。
世界文化遺産に指定されている仏国寺は、現在もスケールの大きな寺院ですが、最盛期の8世紀には総2000間の60余棟の木造建物に成り立った壮大なスケールを誇っていたといいます。
三国統一後、国が最も安定になって文化が栄えた時期に仏国寺は建てられ、仏国という言葉は、すべてが完全に備わった安楽と清潔な国になろうとする願いの意味が込められています。以降、高麗と朝鮮時代に何度か補修・改修が行われながら650年間引き続いた仏国寺は、1592年壬辰倭乱(文縁の役)の際に多くの建造物が焼失しましたが、仏教芸術の粋と讃えられた美しさは今も変わることはないのです。戦争で国力が傾いた後、崇儒抑仏政策で仏教が弾圧され、新羅の精神を生かすことが出来なくなったのです。
その後、紫霞門、梵鐘閣、大雄殿、極楽殿などがようやく残っていましたが、1969年発掘調査後、無くなった無説殿、観音殿、毘盧殿、経楼、
回廊などが1973年の改修工事によって復元されました。

石窟庵 [ソックラム]  Seokgulam Grotto

統一新羅時代の宗教的な情熱と芸術、科学の力で完成させた最高の傑作品

新羅千年の歴史と息遣いがこもた石窟庵は、統一新羅の文化と科学、宗教的な情熱の結晶体であり、国宝の中でも最上なものとして見なされる文化財です。石窟庵は、吐含山の麓に位置して、仏国寺から山頂に車で約7.5km向かう途中にあります。
新羅の景徳王10年(751年)、仏国寺の創建と同様、宰相金大城によって石仏寺という名前で創建されますが、彼が亡くなった後、国が工事を引き受けて完成させたものです。金大城は、前世の親のために石仏寺(石窟庵)を創建し、現世の親のために仏国寺を建造されたのです。

石窟庵は花崗岩を手入れし、それを積み上げて
ドームの型に築いてからその上に土を覆いかぶせ、まるで洞窟のように見えるように建てられた石窟寺院であります。石窟庵の構えは大きく、前室の四角い空間と丸型の主室に分けられており、主室には本尊仏である釈迦如来坐像と共に菩薩像と十大弟子像が安置されてあり、前室には仁王像と四天王像などが彫刻されています。石窟寺院でありますが、一つのお寺を圧縮した形となって、寺刹建築が持つ格式を取り揃え、一つの仏国浄土を成し遂げたのであります。
圧巻は高さ3.4mの釈迦如来坐像で、花崗岩を丸彫りした仏教美術史上最高の傑作。温和な表情と全体の調和は、まるで体温が感じられそうな存在感があります。

慶州民俗工芸村は、慶州に伝わる伝統工芸を保存・伝承する目的で1986年に造成されました。約2万坪の敷地には、金属、陶磁器、木工、宝石、石工、刺繍、竹細工、韓紙などのさまざまな伝統工芸の工房が18軒ほど立ち並んでいます。
各工房では制作過程を見学できるほか、工芸品の販売も行っています。

又、民俗工芸村内には新羅歴史科学館があり、石窟庵の構造を知ることができる模型と新羅の王都の姿を再現した王京図などが展示されています。

掛陵 [グェヌン]  Gwaereung Royal Tomb

現存する新羅の王陵の中で最も華やかなで、統一新羅時代を代表する陵

慶州市内から少し離れて、蔚山に行く道路辺に位置している掛陵は、新羅第38代元聖王(785年〜798年)の王陵と推定されています。この王陵は、かつてここにあった小さな池で王の遺骸を水面上に掛けて葬ったことから掛陵の名が付いたといわれています。
掛陵は、現存する新羅の王陵の中で最も華やかなで、統一新羅時代の陵墓制度を代表する陵と知られています。広大な敷地に護石をめぐらせた円墳で、慶州に残る古墳の中でも最も原型を持ち、また左右対称の美しい形であることで知られています。

方角に合わせて12支像の彫刻が立ち、四匹の石獅子像と文人像、武人像が陵の前に配置されて居り、高さ2.7mの望柱石2本が陵の入口に立っています。この武人像の容貌はペルシャ人風であることから、当時のアラブとの活躍な交流が想像できます。

慶州近郊には、千年王国の遺跡が各地に散在しています。三国統一の気象浩然の気を味わえる西部圏、儒教文化の伝統が継承されている安康圏、護国の聖地と仏教遺跡の内で最も古い歴史を誇る東海岸文化圏など、至る所に遺跡地か点在しています

慶州市内から東の方に6.5Km離れている普門湖を中心として造成されている普門観光団地は慶州を尋ねる観光客の憩い場で有名な所です。普門観光団地は美しい自然景観を背景にして320万坪の広い敷地の上に現代的の豪華なホテルなどの宿泊施設を始め、ゴルフ場、野外民俗公演場、子供達の天国である慶州ワールド、文化の空間、各種文化レジャー施設を整えている国際観光リゾートであります。

普門観光団地を訪れる日本の方にはくつろげる憩い場として大人気のところです。良く整備されている自転車専用道路ではハイキングのマニア達で賑わい、春になると普門路に咲き乱れる桜の風景は見事になります。毎年4月には慶州国際桜マラソン大会が開催されます。
新羅千年の古都を一層引き立ててくれる観光休養地である普門観光団地は、皆様の慶州観光をより豊かで楽しく導いてくれるでしょう。

悠久なる歴史と伝統を誇る慶州は、都市自体が公園であり自然博物館であります。街の到る所に散在している古墳は、どれも規模が大きく当時の王権の強さを物語っています。
新羅文化を一目で見ることが出来る国立慶州博物館、宮殿が建てられた半月城、夜空の天体を観測した瞻星台、東洋最大の寺院であった皇竜寺跡などの貴重な遺跡が至る所に散在しております







韓国を廻るなら決して欠かしてはいけない遺跡地としたら千年の古都慶州を挙げられます。

それは言うまでもなく、日本でも古くから愛されてきた千年の古都「京都」のように急激な都市化が進む中でも古来から自然を大事にし、自然と調和して生きてきた先祖達の息吹が今でもあちらこちらに残っているからだと思います。

実際に大陵園(古墳公園)の付近の土を少し掘ると遺跡層が出てくるほど、ここは現代人と古来人のふれあいが活発に行われるところでもあります。 
こんなに深い意味を持つ慶州をご紹介していくことを嬉しく思います。



けいこHP
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